1996年。ぼくがインターネットに始めてつながった年は、たしかその年だと思う。ぼくは当時、中学生だった。OSはWindows95。今日はちょっと懐古趣味を全開にして、昔話をしようと思う。
まずは接続方法が違った。当時はダイヤルアップ接続が主流だった。アナログモデムを使って、ISPのアクセスポイントに電話をかけて、データのやりとりをしていたのだ。FAXを送信するときのあの「ペパピプペ、ぴーーーーーーひょろろろろろろろろろろ。」を聴くと、今でも当時の「あ、つながった」という瞬間の気持ちを思い出す。もちろん、「インターネットに接続する=電話をかける」なわけだから、当然その間は「通話中」となり、家の電話を使うことができない。さらに言うと、もちろんその間に誰かから電話がかかってきても、通話中だから相手の受話器からは「ツー。ツー。」としか聞こえてこない。当然つないでいたらつないでいただけ電話代がかかる。
というわけで、次は電話代の話。当時へヴィにインターネットを使うひとにとって、常識だったひとつのサービスがある。それは「テレホーダイ」。これは、23時以降特定の電話番号への電話がかけ放題になるサービスで、たいていのネットユーザはアクセスポイントの電話番号を登録して、23時以降の「テレホタイム」になってからインターネットへつないでいた。そのため、テレホタイムになると急に重くなるという現象が毎晩のように繰り返されていた。出入りしていたチャットではテレホタイムになったとたんに「重い...」という発言が増えていたのだが、よく考えるとその「重い...」という発言によってなおのこと重くなるという、なんともばかげた行為をしていたものだと思う。
というわけで、次は速度の話。当時の(アナログモデムの)速度は、最速で56kbpsまでだった。今インターネットにつながっているひとたちの平均速度はたぶん、23Mbps程度だろう。ちなみに、それぞれキロビットパーセカンド、メガビットパーセカンドと読む。1バイト=8ビットだから、56kbpsは、一秒間に7キロバイトのデータが受信できることになる(理論値だが)。ちなみに、ぼくが先日ブログに乗せた博麗神社の写真の一枚目は、181.15 KBだ。181KBのデータを受信するのにかかる時間が、約25秒。当時の速度だったら、博麗神社の写真のエントリひとつを読み込むのに、多分1分以上かかるだろう。だから当時は、画像のサイズを少しでも軽くすることや、無駄な画像を使わないことが「ネチケット」(懐かしい言葉だ)とされていた。
そういう時代を象徴するものとして、ぼくはいろんなものを思い出す。一番お世話になったのはICQだろう。ICQは、今で言うメッセンジャーみたいなもので、登録してある友人がオンラインかオフラインかがわかったり、IMを送ったりできるソフトだ。仲のよかったネット友達と、ICQで会話したりももちろんしていたのだけれど、面白いのが、よくわからん中国人とかドイツ人とかから、いきなりメッセージが送られてくることがあった(カッコー!)。そんなわけで、「インターネットは世界中とつながっているんだ!」という実感は、多分当時のネットのほうが強かったと思う。
あと、ぼくが思い出すのは、スピッツベルゲン、geocities(は今でも残ってるからすごいよな)、realPlayerでのストリーミング再生(これも今でも残ってるな。ていうかよくあの速度で音楽ファイルなんぞをDLしたもんんだよ。もちろん、音質を犠牲にしてmp3の何十分の一くらいのファイルサイズにしていたが)。
と、昔話はここまで。そこから主流の接続方式はISDN,ADSL,光というように変遷してきて(ぼくはそのどれもを経験している)、たった10年で通信速度は500倍にもなり(動画どころか、mp3でさえ大容量ファイルだったが、今や動画がネット上にこんなにあふれているなんて、10年前の誰が信じるだろう)、常時接続が当たり前になった(電話代を節約するために巡回ソフトでぱっと巡回してすぐに接続をきるなんて必要はまったくなくなった)。そういう大きな変化があった一方で、いまだにインターネットの通信の基本はTCP/IPに支えられていて、wwwはHTTPに支えられ、電子メールもSMTPに支えられている。
そういうことを考えると、なんだかぼくがテレホタイムを気にして接続していたときから、だいぶ時間がたってしまったようにも感じるのだけれど、それは、ほんの10年前の話なんだよな。10年一昔、とは、よく言ったのもである。
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