結構話題になってるから知ってる人は知ってると思うけど、凌辱シーンのあるエロゲーを法的に規制しろだとかそういう話題が出ている。
ぼくの立場としては、まぁ以下の通り。
- 凌辱ゲームは女性差別の構造を表象化したものだと思う。その意味で、批判は免れない。
- ただしそれは、たとえば石原慎太郎の「太陽の季節」がジェンダー的に批判を免れない、というのと同じくらいの意味で。
- というわけで、法規制には反対。
と、まあぼくの基本的な姿勢はそんなところ。いくら糞なゲームにも、いくら糞な言論も、存在することは許されなければいけない、という姿勢ではある。
で、今回取り上げる話題は規制の是非とは関係ない部分。だからエントリのタイトルは「横道」なわけですね。
さて、こういうゲームとかがやり玉に挙がると、必ずと言っていいほど見かける意見として、「ガス抜き」説がある。いわく、ゲームを規制したら今までゲームで満足してたやつが満足できなくなって、実際の性犯罪が増えるぞ!ってタイプの言説だ。それに似た話で、「ポルノグラフィティが許されている日本は強姦の発生率が低い」という話がある。今回はこの「強姦の発生率」についての話題。
ところで、強姦の発生件数って、どうやって調べるんだと思います?まさか、調査員が全国の男女のところに一軒一軒回って、「強姦されましたか?」と聴くなんて方法のはずもないですよね。多くの場合、「発生件数」ってのは「(被害届けなどにより)認知された件数」なわけです。日本の強姦発生件数は世界でも低いほうだ!なんて話をよく見かけますが、これ、正しくは「日本の強姦『認知』件数が世界で低いほう」ということなんですね。で、こういう「発生はしているけど認知されてない」件数のことを、暗数と言います。
たとえばこれが交通事故などの場合、起こる場所は密室(密室トリックとかそういう意味の密室ではなくて、人の目の話ね)でもないし、被害者が声を上げること自体がそんなに難しくないため、暗数というのはそんなに変動しません。一方で、痴漢を含む性犯罪の場合、密室で起こることが多く、また、それ以上にセカンドレイプ(痴漢被害者に対して「お前が誘うような格好していたんだろ!」などと言って責め立てることなどは典型的なセカンドレイプです)をおそれた被害者が声を上げられないなどの条件がそろうことが多く、暗数はそれこそ「ふたを開けなきゃわからない」状態になっています。
もちろん、ぼくはここで、「日本は強姦天国だ!」などと結論づけるわけではないですが、少なくともレイプをする大学生を「元気がある」なんて表現する馬鹿議員がいたり、性犯罪被害者に対して「ゴネ得」とか「お前にも落ち度が」とか言ったりする人間がいる状況では、日本の性犯罪件数の暗数も大きなブレ幅がありそうだとは言えそうです。
つまり何が言いたいかというと、(性犯罪に限りませんが)こと性犯罪などの暗数が読めないものに対しては、「報告された件数」≒「実際の件数」と思ってしまうのは間違いだ、ということです。だから、「日本は強姦件数が世界でも低いほう!日本の男性は安全!」という主張は、ちょっと無理がありますね。もちろん何度も言うようですが、べつにぼくは「日本の男性怖い!ちょう危険!日本は最低!」と言ってるわけではなくて、「強姦の報告件数という数字からは、日本の性犯罪が多いとも少ないともいえない」「わからない」と言っているわけです。
おしまい。
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